【事例3】
亡父が事業をしていたことがあり、相続することが不安な方からのご相談

父が亡くなり、私を含む兄妹3人で遺産である預金100万円をどうしようかと相談していた時に、昔父が事業を営んでいたことを思い出しました。
父が営んでいた事業がうまくいかずに廃業したのですが、その時の借金が残っていないか心配です。
遺品の中からも、父の事業に関する資料は一切見当たらなかったのですが、このまま相続するにも不安が残ります。
このような場合、どのような手続きができますでしょうか?

当センターの対応

個人事業主の場合、銀行などからの借り入れで運転資金を調達する際に、その個人事業主がその債務について連帯保証をしていることが多いです。
また、会社ではなく、個人事業の場合は、その借り入れは個人事業主自身の債務となります。
そのため、その廃業した時の状況により、債務が残っている可能性は否めません。

今回は、廃業当時の借金が出てきたときが怖いとのことですので、普通に相続するでは不安が残ったままになります。
そのため、限定承認を提案しました。

資産を調査した結果、預金100万円しか財産はなく、負債調査した結果、これといった借金は見当たりませんでした。
限定承認の申述も家庭裁判所に申述し無事受理されました。
その後、2か月間の官報公告期間内に新たな債権者が出て来ませんでしたので、安心して預金100万円を兄弟3人で相続することができました。